RTK-GNSS測位・VRS方式・スタティック法

GNSS測量の主な手法

GNSS測量には様々な測量手法がありますが、主に使用されるのは3種類の計測手法です。
このページでは、下記の3種類の計測方法についてご説明します。

  1. RTK-GNSS測位
  2. VRS方式(ネットワーク型RTK-GNSS測位)
  3. スタティック法

3種類の計測手法・比較表

RTK-GNSS測位(リアルタイムキネマティックGNSS)

固定の位置に据えた基地局と、測量作業員が観測点にアンテナを持って移動する移動局の2台のGNSS測量機で、4個以上の同じGNSS衛星を同時観測する測量方法。
基地局の観測データを移動局に送信して2点の観測値の差を解析することで、衛星の位置誤差や電波が大気圏を通過する際の遅延誤差を消去し、観測精度を高めることができます。基地局から移動局へのデータ送信に無線を使用するため、実施には無線免許と総務省への申請が必要です。

VRS方式(ネットワーク型RTK-GNSS測位)

基地局を使用せず、移動局のGNSS測量機1台で測量が可能な手法。
本来計測に必要な基地局の代わりに、ジェノバ社のネットワーク型GNSS補正データ配信サービスから取得した仮想基準点データを使用して測量を行います。
GNSS補正データ配信サービスとの通信は、携帯電話やWi-Fiルーターを経由してインターネット接続します。無線機能を使用しないことから無線免許や総務省への届け出が不要で、レンタルしたGNSS測量機でもVRS方式のGNSS測量を行うことができます。

電子基準点:GEONETとは?

電子基準点は全国約1,300ヶ所に設置されており、GNSSによる観測をリアルタイムに行っています。収集された全国の観測データは配信機関(日本測量協会)を通して民間の位置情報サービス事業者(ジェノバ)に提供されています。
収集された全国の観測データは配信機関(日本測量協会)を通して民間の位置情報サービス事業者(ジェノバ)に提供されています。

ジェノバとは?

ジェノバ社は GNSS補正情報配信サービスを提供する民間企業です。日本測量協会から提供されるGEONETの電子基準点情報を活用し、VRS方式に必要な仮想基準点データ・補正データを配信しており、このデータを活用することでVRS方式の測量が可能になります。
ジェノバ社のデータ配信サービスの利用には使用料がかかります。

スタティック法

GNSS測量機を三脚で観測点(複数の既知点と新点)に据え、長時間の連続観測(30~120分)の観測を行う測量方法で、主にGNSSによる基準点測量に使用されます。
この測量方法は、設置したすべてのGNSS測量機で同じ衛星4個以上の電波を長時間同時観測することで、高い精度の測量が可能です。求められる精度によって観測時間が変わり、120分以上なら1級~2級基準点の精度、60分以上なら2級~4級基準点の精度を確保できます。

近くに基準点が無い、発注者の指示する既知点が遠い、基準点間の視通がきかないなどの、従来の光波による基準点測量が難しい場合に最適です。

既知点・新点を3点以上同時観測するため複数台のGNSS測量機が必要ですが、既知点に電子基準点を使用することでGNSS測量機1台で計測することもできます。

短縮スタティック法

同時観測する共通の衛星を5個以上とすることで、30分以上の観測で3級基準点の精度を確保する測量方法です。

解析ソフトが必要

スタティック法は計測したデータを後から解析して位置を確定します。解析には専用の解析ソフトが必要です。RTK-GNSS測位と違い計測に電波を発することが無いため、免許や届け出が必要ありません。

3つの観測方法の比較

GNSS測量は、計測方法によって計測時間や精度・使用する機器の台数・免許や届け出の有無などが異なります。

RTK-GNSS測位VRS方式スタティック法
精度2~3cm3~4cm
5mm
無線免許必要不要不要
総務省への届け出必要不要不要
使用する測量機の数2台(基地局・移動局)1台(移動局のみ)3台以上
※既知点に電子基準点を使用する場合は1台でも可
1点あたりの計測時間1秒~
※設定で変更可能
1秒~
※設定で変更可能
スタティック:
120分以上
短縮スタティック:
30分以上
主な用途地形測量
縦横断測量 等
地形測量
縦横断測量 等
1~4級基準点測量
対応する
CHC-GNSS測量機
i80(基地局・移動局)
i80
M6
i80
M6