任意座標の図面に合わせて測量【機能紹介】

CHC-GNSSの特徴のひとつである、CADデータ(DXF形式)の読込み機能。
GNSS NEWS No.2の記事でもご紹介したこの機能は、図面データをコントローラーに読込んで画面に表示させながら測量することが出来ます。

ですが、

CADデータを読込んで作業したいけど、現場の座標情報が無い…
CADデータを世界測地系にする方法が分からない…

という場合もあると思います。

このページでは、そんな時に便利なローカライズ機能をご紹介します。

任意座標の図面にあわせて測量する:ローカライズ機能

通常、GNSS測量で得られる座標は世界測地系のデータです。
そのため任意座標のCADデータを読込んでも、コントローラーの画面表示ではCADデータが全く違う場所に読込まれてしまいます。

ですが、図面が任意座標系で描かれていたり現場の基準点データが古いものしかないなど、様々な理由で任意座標で計測したい場合があります。

ローカライズ機能は、図面上の4点の任意座標に同じ位置を計測した実測データを合わせることで、図面を座標系に合わせなくても測量できる機能です。

任意座標の図面にあわせて測量する(使い方紹介動画)

任意座標の図面にあわせて測量する(動画内容の簡易解説)

ステップ 1

まずは読込む任意座標の図面(CADデータ)から、位置合わせの基準となる4点を作成します。(最低4点)

この基準となる点は、なるべく現場全体を囲うように設定します。
位置合わせのために同じ場所を計測する必要があるので、既設物の角や既知点の鋲など、測りやすいポイントを選びます。

設定したら、コントローラーに読込みます。
コントローラーには、SIM形式、CSV形式などでインポートできます。

ステップ 2

ステップ 1 で設定した図面の4点と同じ場所を、ポイント機能で計測します。

図面のどの位置を計測したか分かりやすい名前を付けておくと、この後の設定が楽になります。

ステップ 3

計測したデータに、対応する任意座標データを設定します。

メニュー画面の測量タブから、サイト CALをタップします。

ステップ 4

高さ当て方法をベストプラクティスに設定します。

Use VRSを「はい」に設定します。

ステップ 5

画面左下の追加をタップし、計測点と対応する既知点の設定画面を表示します。

「GNSSポイント」の名前欄右側の ボタンをタップし、計測した座標リストから基準となるポイントを選択します。

同じように、対応する任意座標のポイントを「既知の点」に設定します。
方法は「水平+垂直キャリブレーション」を選択します。

設定が完了したら OKをタップします。

ステップ 6

ステップ 5 の手順を繰り返して、基準となる4点すべてに対応する既知点を設定します。

4点設定すると、リストに各点の残差が表示されます。
計算前に、残差が大きすぎないか確認します。

残差が大きい場合は警告が表示されます。
その場合は、際立って残差が大きい点を再測するか、別のポイントを設定して再計算を行います。

すべて設定したら、 計算するをタップします。

ステップ 7

計算が完了すると、現在のプロジェクトのデータがすべて設定した任意座標系にあわせて置き換えられます。

適用をタップして、計算結果を適用します。

ステップ 8

適用すると座標系設定の確認画面が表示されます。

問題が無ければ 同意をタップして、ローカライズ設定を完了します。

ポイント

別のプロジェクトにも同じ座標系設定を適用したい場合は、名前を付けて保存を行い、座標系設定を保存しておきます。
プロジェクト作成時に保存した座標系を選択することで、同じ座標系で作業を行うことができます。

CADの操作スキルが無くても図面と計測データを合成できます。

展示会でブースにお立ち寄りいただいた際にも、「座標系に合わせたCADデータじゃないと画面にうまく表示されないの?」というご質問を複数いただきました。

このローカライズ機能を使えば、任意座標のCADでも簡単に位置を合わせることができます。

CHC-GNSSの無料体験会も開催しておりますので、是非一度ご参加いただき、CHC-GNSSの使いやすさを体験してください!